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かつおやまぐろなどの高度回遊魚は、世界の海を一定のルートにより回遊します。そのため、かつおやまぐろは、わが国のみならず世界各国で漁獲され、その獲り方も国によって様々です。欧米等諸外国では、「まき網」や「刺し網」など、網を用いる漁法が一般的ですが、わが国の遠洋かつお・まぐろ漁船では、釣り針を用いた環境に優しい「はえ縄漁法」と「一本釣り漁法」が専ら行われています。
わが国の遠洋まぐろ漁船とかつお漁船が行っている「遠洋まぐろはえ縄漁法」と「遠洋かつお一本釣り漁法」を紹介します。

遠洋まぐろはえ縄法
遠洋まぐろはえ縄法
はえ縄とは、一本の長い縄(幹縄:みきなわ)に、約3000本の釣り針の付いた縄(枝縄:えだなわ)を垂らす漁法で、わが国で開発されました。幹縄の長さは全長約150kmありますが、これは長野新幹線で言えば東京から軽井沢に達する長さです。
はえ縄漁船の一日は、明け方近くに縄を海中に投げ入れる投縄(とうなわ)で始まります。投縄では、無線で位置を知らせるラジオブイや、浮き玉を幹縄に付けつつ、枝縄にイカ、サバ、イワシ、ムロアジ等の餌を付け、海中に投入します。投縄はおよそ6秒に1本の間隔で手際よく行われますが、それでも4〜5時間はかかります。 まぐろがかかるまで2〜3時間待機した後、今度は縄を引き揚げる作業(揚縄)を開始します。揚縄では、かかったまぐろを船上に引き揚げるのみならず、縄の回収や、絡まった縄の修復などの作業もあり、10〜12時間かかる重労働で、作業終了は深夜になることもしばしばあります。
漁獲されたまぐろは、直ちにエラ、内臓、ヒレを除去され、血抜きを行った上で、凍結庫において急速凍結させます。凍結が終わったまぐろは、船内の保管庫(魚艙:ぎょそう)に移され冷凍保存されます。
一般に家庭用冷凍冷蔵庫の温度はマイナス20度程ですが、遠洋まぐろはえ縄漁船では、凍結庫、魚艙ともマイナス60度の超低温冷蔵庫になっています。これは鮮度を保つためにはマイナス60度程度が必要不可欠であり、マイナス60度の超低温で文字通り体の芯まで凍結させた後、魚艙で保管することにより、釣りたての鮮度を維持することができます。
遠洋かつお一本釣り漁法
遠洋かつお一本釣り漁法
かつお釣り漁法は、一本の釣り竿で行う豪快な「一本釣り」漁法で、餌は付けずに擬餌針でかつおを釣り上げます。
遠洋かつお漁船は、日本を出港する前に、まき餌に使う活きたイワシを活魚艙に積み込み、漁場へ向かいます。
海鳥の群れや水面の動きを観察し、さらに魚群探知機のデータを駆使してかつおの群れを発見すると、全速力で群れに近づき、まき餌を投げ入れるとともに撒水ポンプで群れに向かって勢いよく水を撒きます。群れに向かって水を撒くのは、餌のイワシがかつおに追われて水面で逃げ回っているとかつおに思わせるためで、まき餌のイワシと水の音で興奮したかつおは、餌を求めて水面近くで踊り狂います。 かつおの群れが水面に浮かび上がってきたところで、かつお漁船の船員たちは、一心不乱にかつおをつり上げます。力自慢の海の男が釣り上げたかつおが空中を舞う様子は圧巻のひと言に尽きます。
釣り上げられたかつおは、マイナス20度の食塩水(ブライン液)で急速凍結した後、マイナス45度の魚艙において釣りたての鮮度のまま冷凍保存されます。